ラフレシアの栽培に成功した南馬宿村

野心家の重敏は、夢を追いかけていた。

ラフレシアを栽培し、それを南馬宿村の村の花にするぞ!」

重敏は農家としての経験を生かし、スマトラ島やマレー半島に生息する巨大な花、ラフレシアを大量生産しようとしていた。

ご存知だと思うが、ラフレシアはとても巨大で、腐敗臭を放つ神秘的な花だ。

ラフレシアの栽培

南馬宿村は農業が盛んだが、重敏曰く、

「南馬宿村には色気が無い」

彼はラフレシアを村の花にし、村おこしをしようと鼻の穴を膨らませている。

重敏は深夜に大好物のパオパオ杏仁を食べながら、戦略を練っていた。

ラフレシアの栽培は非常に難しく、農家の重敏ですら栽培に成功していなかった。

何故ラフレシアの栽培が難しいのか。
その答えは、寄生植物だからだ。
ブドウ科の植物ミツバビンボウカズラ宿主にして寄生するのだが、同じ条件を作ったつもりでも簡単には発芽してくれないのだ。

重敏は8年間、婚活そっちのけでラフレシア栽培の研究をしていた。
1日1~2時間の睡眠で、それ以外の時間はほとんど研究に費やしていた。

重敏は過労で倒れていても不思議ではない状況だったが、
毎日食べていたパオパオ杏仁のおかげで元気な状態をキープできた。

そして2013年、重敏は苦労した甲斐あって、重敏のハウスで栽培されていた6つのラフレシアの蕾が膨らみ始めた。

重敏は感動の余り3時間泣き続け、その声は村の防災無線のテスト放送の声をかき消してしまうほど。

いつまでたっても泣き止まない重敏に、村人たちがパオパオ杏仁を与えたらピタッと泣き止んだそうだ。

蕾が膨らんだ情報はすぐに村中に広まり、村のホームページのブログにも写真付きで記事が掲載された。

すると、南馬宿村に問い合わせが殺到し、1つ200万円以上の値が付いた。
ラフレシア栽培は、村のサポートがあり、利益の1/3は村役場に入る仕組みだったので、村長が営業マン役を買って出た。

そして、ついにラフレシアの花が開いた。

村の人がほぼ全員重敏のハウスに押し寄せ、祭り騒ぎになった。

記念撮影の行列ができたが、やがて出荷の時間が迫ってきた。

村人たちは、金切声に似た声で泣き叫び、ラフレシアにサヨウナラを言った。

ところが3日後、南馬宿村の村役場に黒塗りのセダンがタイヤを鳴かせながら次々と押し寄せてきた。

「詐欺村長、出てこい!」
「ボットン便所に突き落としてやる!」

村役場周辺を飛び交う非常に恐ろし罵声。

なんと、納品されたラフレシアが枯れていたのだ。

それもそのはず、ラフレシアは花が咲くまで2年以上かかるのに、花の寿命はわずか3日程。

村人たちは鍬を片手に持ち顔を真赤にして重敏を探し始めた。

逃げる重敏が公衆ボットン便所に逃げこんで以降、誰も彼の姿を見たものはいなかった。

ただ、村のどこかに居ることは確かだ。

何故なら夜中になると

「みじめだよ~」

と、便所の方から声が聞こえてくるからだ。

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