ニートには”ユートピア”の生活が最適なのか?

私の幼なじみの中村君は、社会に出たのだが、運悪く酷い会社、所謂”ブラック会社“に就職してしまった。
朝7時に出社し帰社できるのは23時30分。休みは月1日。奴隷のような扱いを受け、会社では、癌君と呼ばれていた。

日に日に社会・社会に対する不満が募り、中村君はとうとう会社を辞めてニートになってしまった。

そして、毎朝私の家に来て、一言だけ言い残して帰っていく。

「俺はユートピアの首都、アーモロートに向かう。」

それ以外の言葉は一切無い。ただそれだけ伝えて去っていくのだ。これが3ヶ月続いた。
私はあまりにも不愉快になったので、中村君の一言が終わった瞬間彼を捕まえた。

「おい中村君よ、頭にチュパカブラでも住み着いたか?」

すると中村君は、ユートピアについて語り始めた。
非常に長い話で、朝の8時に始まった話が終わったのは、21時だった。

中村君のユートピアの首都アーモロートに向かう強い決意がある事は間違いなさそうだ。
ただ、彼自身がアーモロートがどこにあるのか分からないと言っている。
彼は、まずユートピアに行き、ユートピアの建国者ユートパス1世の墓参りをしたいらしい。

私は中村君の分けの分からない思考を正そうと、
「中村君!目を覚ませ、ユートピアなど無い!」
と伝えたが、頬をビンタされた。

とにかく中村君はユートパス1世の墓参りをできる限り早い段階で済ませ、アーモロートに住み、1日6時間の労働をして規則正しい生活したいと言っていた。

ユートピアでは、ラッパの合図と共に皆で食事をし、彼はそれにも強く憧れているようだ。また、ユートピアではの価値は無いに等しく、便器に使われている程。金・銀・通貨を得る為に働く必要はなく、1日6時間の労働をすることによって、必要な物は全て共同の貯蔵庫から調達する。中村君は、平等に働いて、助けあい、それこそが人間社会の真の姿だと言っている。

食事の時間や睡眠時間、住居や着る服まで、徹底的に生活を管理されているので、安心して生きていくことが出来るのだと中村君は言っているのだが、果たして本当にそうなのだろうか。

私は中村君に、ユートピアって究極の共産主義社会じゃないか!と伝えたら、頬をビンタされた。

だが、中村君は私をビンタした後、こう言った。
「君の言っていることはあながち間違いではなく、ニートに必要なのはユートピアであり、謂わばそれは共産主義でもあると言える」

私は中村君の頬を激しくビンタした。
中村君は泣きだした。
それでもまだアーモロートに向かうと言っている。

「中村君よ!仮にユートピアが存在したとしてもだ、ユートピア社会に適合しないとどうなるか知ってるのか?奴隷にされるんだぞ!」

すると中村君は、職安に行くと言い残して去って行った。

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