全自動洗濯物たたみ機を開発、しかし苦情殺到

私はある家電メーカーに勤めている。全自動で洗濯物を
折りたたむ機械の開発を担当している。

我社は全自動洗濯機も開発生産しているが、肝心な折りたたむ作業は
ほとんどの家庭で手作業だ。なので、お客さま相談室には頻繁に

「なんでこの洗濯機は途中までやって投げ出すんだ!」

だの

「マグロ頭め!折りたたむの面倒なんだよ!?おっ?わかったか!」

だのと苦情が届いている。確かに消費者の言う通りだと思う。

少しでも主婦が自由な時間を手に入れ、リラクゼーションタイムを
送ってもらえるよう、私は頑張って開発をした。

そして完成したのが家庭用全自動洗濯たたみ機、”ピーコック2906” だ。
2906は、私の子供の頃のあだ名、肉マルからとったものだ。

全ての商品に言えることだが、商品と言うものには多少なりとも
欠点はあるものだ。満を持してリリースしたピーコック2906だったが、
もちろん例外ではなく欠点はあった。ただ1点だけ。

手間なく簡単に、素早く全自動でたたむことはできるが、全ての衣服が
正方形に折りたたまれる。袖の部分、襟の部分、衣服の形状を無視して、
決めたポイントで何が何でも折り曲げてしまう構造なのだ。

例えばピーコック2906にインプットされた折り目のライン上に、
ボタンやリベットがあってもそれを折り曲げてしまう。

たった1つの欠点だったが、この欠点が大不評でクレームの電話が殺到した。

「おいおいおい。おーい!おいおい!おーー。おーーーっ!」

だの

「お前の脳は澱粉の塊か?」

だの

「وخداع. مغفل. الأخطبوط.」

だの

「オワタッ!オワタッ!オワタッ!」

だのと、消費者は具体的に何が悪いのかすら言えない程酷く憤慨しており、
お客さま相談室の社員は対応に苦労していた。

正直、服を自動でたたむ機械の開発は難しい。なぜなら、服はそれぞれ形、
ボタンの位置、折り目、大きさ等がことなるからだ。
上司にその旨を伝え、今後は折りたたみ機を先に販売し、それに対応した服を
販売すれば良いと提案した。

そしてなれない服づくりをしながら私は思った!

服に強力な形状記憶機能を与え、洗濯が終わったら仕切りのあるロッカーに
くしゃくしゃにしても良いので団子みたいに丸めて収納する。
着る時に団子状の服を取り出したら形状記憶が働き、ポンッっと綺麗な形状が蘇る・・・

よし、これで行こう!

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